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日銀の国営、廃止し政府紙幣の発行機関とする・案。

215     日銀のデイスクロ         03.6.1


527日、日銀が14年度の決算を発表した。報告書は30ページちかくにわたり、おなじ日に発表された372ページの業務概況書とあわせて、日銀のデイスクロージャヤーはゆきとどいたものである。


日銀の貸借対照表で、資産・負債の部の最大項目は発行銀行券 71.05兆円(75.61兆円)である。これが3月末における日本の紙幣の総額だ。紙幣は我々にとっては資産だが、日銀にとっては負債だ。ただし金利がゼロという負債である。

資産の部の最大項目は国債 88.65兆円であり、この利息が日銀にはいる。54.1兆円保有している長期国債はまだ2.71%にまわっている。



損益計算書で、普通の会社の売上高にあたる経常収益は2.01兆円だが、そのうち国債利息が1.46兆円をしめる。あとは外国為替の利息、売買償還益、為替差益など0.36兆円が大きいだけである。2.01兆円の経常収益から1.34兆円(0.9311兆円)の経常費用が引かれる。中身は国債売却償還損 7307億円、外国為替売買償還損 3411億円など、経常収益と益損が両建てになっている分が大きい。それを除けば、銀行券製造費607億円をふくめた一般経費は2316億円しかない。

こうして経常利益6620億円(6873億円)がうまれて、特別損益を差引いて5988億円(6866億円)の税込利益が残る。



日銀は資本金1億円(うち政府出資55%)の株式会社だが、特殊な点が多い。まず法人税が減免されている。だから税込み利益5988億円に対し、5944億円(6407億円)の当期剰余金(税引利益)がのこる。法定準備金を積立て、株主にたいして5%の配当金を支払ったあと、剰余金は国庫に納入する(6087億円)

14年度の納入金額は13年度の13904億円から激減している。


紙幣を発行している日銀は紙幣製造費と管理経費を引いたのこりが、すべて造幣益になると思っている人もいる。このコラムにたびたび書いたようにそんなことはない。発券業務、国庫の管理、決済システムの維持、金融政策の実行という業務をおこなっている日銀の利益は、14年度はわずか6000億円弱にすぎない


日銀の使用総資本は141.1兆円(113.4兆円)である。これにたいして売上高は2.01兆円である。総資産回転率は1.4%にすぎない。

日銀の企画室が147月に発表した資料によれば、日銀の使用総資本は米国のFRBの65.5兆円、欧州中央銀行の81.4兆円にくらべて巨額である。このように大きくなってきたのは90年代以降で、それまで日銀の使用総資本はその年の名目GDP10%を超えたことはなかったが、97年あたりから急増し、いまは名目GDPの30%に近づいている。

その理由は次回に書きます


しかし売上高純利益率は29%と高い。金融機関としては、大手銀行は赤字だが消費者金融大手はまだ巨額の利益をあげている。武富士の売上高利益率は22.5%、総資産回転率は0.21%と収益構造は日銀と似ている。両者の共通点は金融機関の生命である利ざや(資金運用益と資金調達コストの差)が大きく、経費率が低いということである。


いま異常な経済・金融情勢がつづいている。その影響は政府の財政赤字にあらわれているが、中央銀行の財務諸表にもそれが雄弁に反映されている。


216        日銀にあるリスク           03.6.3


14年度に日銀が行った金融政策は以下のものが大きい。

1)物価が前年比マイナスだが、せめて前年比ゼロにする。

2
)長期国債を毎月、12000億円を上限として、買い入れる。1030日。

3
)金融機関の保有株式を上限3兆円として買上げる。



3月末まで11604億円 実施。

4
)日銀当座預金を新たに入る郵貯分2兆円を含めて1722兆円にする。



345日。

5
)オペ対象証券の担保掛目の引上げおよび証券の範囲拡大。1030日。



この異例の金融政策の影響が前14年度の決算にどう影響しているかを検証する。


1)国債の損益

日銀は国債を期末で88.6兆円保有し、売上高の73%が国債の利息である。

うち平残で54.1兆円の長期国債の利回りは2.701%31.1兆円保有の短期国債は0.006%。利息は入るが、国債の売買・償還益20.7億円にたいして7307億円の売却償還損がでている
。利息が多いといって喜んではおられない。期末56.2兆円保有している上場国債は、3月末で1兆4824億円の評価益がでている。ながく保有していたものが多いのだろう。しかし、国債価格はバブルの絶頂にあり、これからは下落するしかないと、私はみている。日銀でも保有国債の評価損が発生するだろう。

2)株式の損益

日銀は銀行が保有している株式を買取った。実際には信託銀行がその業務をやり、日銀の貸借対照表には「金銭の信託」という項目で表示してある。3月末の簿価は1兆2075億円で時価は11417億円だ。いまのところ評価損が658億円でている。これは、心配する必要はなく、日銀にとって、やがて大きな利益になるだろう。



中央銀行が国債、株式の大仕手である国、それ自体が異常であるが、そのことが日銀の財務諸表にこれから投影されよう。


3)日銀当座預金

日銀の使用総資本が141兆円とバカでかいのは、負債の部の預金の膨張による。14年度末は
32.05億円で前年比3.15兆円増加した。12年度末には5.83兆円しかなかった。

日銀は金融政策の手段として、これ以上金利はさげられないから、量的緩和に専心してきた。市場から国債を買い上げ、銀行の株式を買い取り、大量の現金が日銀から銀行に渡された。発行銀行券の推移は、12年度末58.6兆円、13年度末67.8兆円、14年度末71.0兆円と名目GDPが減り続けた経済としては、異常なふえかたである。

銀行はせっかくの現金を貸出しにむけることなく、金利ゼロの日銀当座預金においてある。これが減ることが経済の活性化であり、景気好転のシグナルだ。

 


日銀の剰余金は14年度、大幅に減少した。外国為替売買償還損益が、13年度

プラス7507億円にたいして、14年度はマイナス1638億円になったことが大きい。



けれども、これからは外国為替だけでなく、日銀が保有する国内資産の価格変動に、日銀が翻弄される日がくるだろう。日銀の決算には注目を怠れない。




蛇足



結果として発行銀行券は数兆円分増えている(平成14年から19年度)。毎年1兆円規模で資金の流動性は高まっている。借り換え国債により、残高は一定を保っている。日銀の純利益の95%近くは国庫に納入されている・。5%の配当を株主に払い(政府及び外人に300億円ぐらい・)。と言うことは別に発券は政府で十分であろう・




日銀を国営化しても大して変わらないであろう。国債の利子で利益を得ているので、国債の発行がない分、政府紙幣の発行が効果的であり、公務員の数も減らせる。



これだと外国勢力の干渉も減らせる・。


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