FC2ブログ

山本尚利氏コラム

ベンチャー革命2006910

?
                           


早稲田大学院MOT教授


山本尚利

?
タイトル: 靖国神社の太平洋戦争史観、重大修正

1.靖国神社の太平洋戦争史観の重大修正とは


靖国神社の太平洋戦争に対する歴史認識は周知のように、遊就館の展示から読み取ることができます。1940年代、日本はなぜ米国との戦争に踏み切ったか。靖国神社の見解は、日米開戦はやむにやまれぬ不可避の出来事であった。不況に苦しむ米国が日本と戦争を起こすことによって国内の経済再建を図るため、日本を経済制裁によって、意図的に追い詰め、先制攻撃させるように仕向けたというもの。当時の欧米列強は帝国主義政策をとっていたので、日本のみが帝国主義政策をとっていたのではない。この歴史認識には筆者もおおむね同意します。ただし、だからといって、戦前の日本のアジア侵略は決して正当化できるものではありません。靖国神社の遊就館の展示を観るかぎり、靖国神社も、戦前の日本のアジア侵略を正当化するまでに至っていないと筆者個人は思います。ところが、この展示が、唾棄すべき安っぽい反米史観と岡崎久彦氏(外交評論家)から批判されて、なんと靖国神社が、みずからの太平洋戦争史観の修正に易々と同意したとのこと。(注1)

A
級戦犯分祀には頑として応じない、あの靖国神社が、太平洋戦争史観についてはあっさり と修正に同意してしまった。なんということか。戦後まもなく、遊就館の展示を企画した当時の関係者はさぞかし怒っていることでしょう。このニュースが真実ならば、今日の靖国神社の責任者は重大な自己否定を冒したことになります。ところで東アジア隣国から問題視されている靖国神社のA級戦犯合祀に対する国内賛成論者の論拠とは、戦勝国側の一方的な極東裁判(東京裁判)の判決は不当であるというスタンスから出発しています。現在なお、一部の日本人が、極東裁判は不当であると主張する根拠は、まさに靖国の太平洋戦争史観にあります。すなわち、日本は悪くなかった、この1点につきます。上記のように、今回の歴史認識の重大修正によって、靖国神社は、太平洋戦争はすべて日本が悪かった。正義はすべて米国にありとでも結論するのでしょうか。この理屈から、日本のA級戦犯は、国際法に照らしても、まちがいなく戦犯だから、その合祀を止めることが正当化され得ます。このように岡崎氏の要望を受け入れると靖国神社は自縄自縛に陥ることになります。  


2.大村益次郎と靖国神社

ところで筆者は、過去に、靖国神社について投稿した経験があります。(注1)靖国神社の境内には、明治天皇ではなく、なぜか大村益次郎の銅像が建っています。神社の正門には天皇家の菊の御紋が張りつけてあるのに、なぜ、明治天皇の銅像ではなく、大村益次郎の銅像が建っているのか、実に不思議です。しかも大村益次郎の銅像は上野の西郷隆盛像を睨んでいるといわれており、なんと神社の本殿にお尻を向けています。神社に祀ってあるご神体よりも大村益次郎の方が偉くみえるように神社が設計してあります。ちなみに、西郷

隆盛は靖国神社には祀られていないそうです。靖国神社は明治初頭に建立されており、出雲大社のような歴史のある神社ではありません。要するに、靖国神社とは、大村益次郎の出身、長州藩の建立した歴史の浅い神社であることが一目瞭然です。田舎侍の集団、薩長藩閥人事で固められた明治政府は、徳川幕府を追い出した後の江戸城をはさんで東西に靖国神社と明治神宮を建設しています。大政奉還によって徳川家から奪い取った江戸城は、明治政府によって天皇家の居城となって、今日に至っています。この経緯を冷静にとらえると、今日の皇居というのは、明治維新の頃、かなりいかがわしいプロセスでできあがっていることがわかります。明治政府の実権を握った薩長の権力者(成り上がりモノ)は、全国、200万人の藩士を支配する手法として、天皇制を利用したことがよくわかります。天皇を神格化するために、靖国神社と明治神宮が必須であったのです。この権力の二重構造は、今日の米国の大統領制との類似性がみられます。表向きのエセ民主主義体制で選ばれた米国の大統領は、実質的に寡頭勢力に闇から支配されています。一方、靖国神社を建設した当事者は、天皇制を利用する側の人間であり、本心では天皇をこれっぽっちも、崇拝していないことが、靖国神社の設計コンセプトによくあらわれています。なにしろ、大村益次郎が菊の御紋にお尻を向けているわけですから。また小泉首相の度重なる靖国参拝のパフォーマンスからも、小泉首相の心根に、明治時代、靖国神社を建立した当事者と合い通じる不遜さを感じます。


3.皇居に建つ楠木正成銅像の不可思議

皇居外苑に楠木正成の銅像が建っています。明治37年に献納されたそうです。なぜ皇居に 楠木正成の銅像が建っているのか。これは、靖国神社に大村益次郎の銅像が建っていると同じくらい不可思議な現象です。楠木正成は、13世紀末から14世紀にかけて、南北朝時代における南朝の重臣です。楠木正成像が建立された時代の明治天皇は孝明天皇の後継天皇ということになっています。歴史的には、江戸時代に引き継がれた天皇の系譜は北朝系と言われています。それならば、明治天皇の父、孝明天皇は北朝系となりますから、その長

子、明治天皇も北朝系ということになります。にもかかわらず、北朝の朝敵といわれた楠木正成がなぜ、わざわざ、北朝系のはずである明治天皇の居城であった皇居外苑に建立されたのか。江戸時代より南北朝正閏論が戦われ、南朝、北朝どちらが正統かが、歴史的論争の対象であったそうです。皇居外苑に建つ楠木正成像は、明治天皇が南朝の正統性を認めていたことを物語っています。もうひとつ不思議なことがあります。明治天皇の皇后は、昭憲皇太后と呼ばれています。本来、昭憲皇后と呼ばれてしかるべきなのに、なぜ皇太后なのか。ところで、昭和天皇の父、すなわち平成天皇の祖父、大正天皇は、もちろん、明治天皇の長子ですが、その母上は、明治天皇の正室、昭憲皇太后ではなく、側室の柳原愛子という方だそうです。さて、上記、靖国神社には、菊の御紋が掲げられているので、国民誰もが、靖国神社は天皇家の神社と理解します。そこの遊就館に展示されている明治天皇の肖像画は、堂々たる恰幅の偉丈夫です。したがって、靖国神社に銅像をたったひとつ建てるならば、大村益次郎ではなく、明治天皇の銅像が建てられるのが筋です。堂々たる体躯であられた明治天皇は、ご乗馬にも長けておられたといわれています。それならば、靖国神社にたったひとつだけ銅像を建てるならば、皇居外苑の楠木正成の乗馬像のような、明治天皇ご乗馬の勇姿像が相応しい。ところが天皇家の神社、靖国神社には、なぜか明治天皇の銅像ではなく、大村益次郎の銅像が建っているのです。実に不思議です。大村益次郎の銅像は、明治天皇がご存命中に建立されていますから、靖国神社に大村益次郎の銅像を建てることを、当時の明治天皇はご了解されていたことを物語っています。2000年の歴史を誇るはずの天皇家の由緒ある神聖な神社に、長州の片田舎の村医者のせがれにすぎない大村益次郎の銅像を建立することをお認めになった明治天皇のご心境は、ちょっと想像できません。そればかりか、靖国神社の設計者は、長州奇兵隊の隊長にすぎなかった大村益次郎は、現人神の明治天皇より偉いのだと主張しているように筆者には感じられてなりません。当時、神格化されて、絶対的な存在であった天皇家に実に失礼な倒錯的計画が明治時代に受け入れられたのは実に不思議です。2006815日、小泉首相が靖国神社参拝を決行したとき、多くのマスコミ関係者が靖国神社に殺到していましたが、誰一人として、靖国神社境内の中央に立つ大村益次郎銅像への疑問が報じられることはありませんでした。

注1:2006825日産経新聞朝刊『靖国・戦史博物館、展示内容修正へ』

注2:ベンチャー革命No.167『大村益次郎:MOTの祖』2005619

?http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr167.htm




?
山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

?hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


?http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


?http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm




蛇足


明治維新の暗部に色々のものが封印されている。明治天皇から平成天皇まで英国王室の騎士としてガーター勲章を贈られている。英国王室の傘下に入っていることなのか?孝徳天皇は毛筆の先を舐める癖があったそうな。筆先に毒を塗り無き者としようとした公家がいたとかいないとか?親子ともども亡き者?遷都も実は隠れ蓑などと言う人もいる。

スポンサーサイト



トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

1940年代、ツートーンダイアル アンティークウォッチMOVADO モバド【ヴィンテージ】ツートーン...

<table cellSpacing="1" cellPadding="3" width="100%" border="0" id="table34"><tr><td vAlign="top" align="middle" rowSpan="2"><a target="_top" hre

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kane552004

Author:kane552004
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR