FC2ブログ

山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2006年12月21日

                           山本尚利

タイトル: 本間税調会長辞任と中川反米発言



1.本間政府税調会長辞任劇の顛末

 2006年12月11日、週刊ポストのスクープ記事が発端で、本間正明大阪大学教授、政府税制

調査会会長のスキャンダルが発覚、12月21日、同氏はついに辞任に追い込まれました。本間

スキャンダルとは、原宿の高級官僚用官舎に元高級クラブママの愛人と無賃入居していたと

いうもの。国の税制を決める重要な国家機関の長が、あろうことか、税金で建てられた豪華

官舎を愛人同衾用別宅にしていたわけですから、ふざけるなと、腹を立てない国民はいない

でしょう。本間という人物は、個人のリスクマネジメントがまったくできていない能天気人

間だったのです。愛人にイイカッコがしたかったのでしょうが、コレができるのは中小企業

のオーナー社長くらいのもの。自分が税金で扶養される一介のサラリーマン(みなし公務

員)であるということをすっかり忘れていたという、とんだお笑いぐさです。こういう俗物

を国の重要機関の長に任命した安倍首相の眼力に大きな疑問符がつけられました。この人事

は元々、国家の税制を牛耳る財務省の、前税制調査会会長の石弘光、元一橋大学学長の留任

方針に逆らって、安倍首相の意思で本間教授に強引に交代させたといわれています。その意

味で安倍首相の本間教授の任命責任は実に重い。この本間スキャンダル暴露で安倍首相の権

威は地に堕ちたといってよいでしょう。安倍首相が本間教授を政府税調会長に任命する認証

式のシーンが繰り返しテレビで流されていますが、その度に安倍首相に対する国民イメージ

が悪化しています。これではさらなる内閣支持率の下落を止められません。

 しかしながら、筆者には、安倍首相の強い意思で本間税調会長が誕生したとは思えませ

ん。外部の誰かの強い要求に安倍首相が単に、従ったものでしょう。彼から見れば、とんだ

貧乏くじを引かされたと内心、怒っているのではないでしょうか。底意地の悪い財務省官僚

は本間教授のウラを前々から熟知していたのに、安倍首相にわざと黙っていて、大恥をかか

せたことになります。安倍首相もずいぶん舐められたものです。



2.本間スキャンダルの仕掛け人は誰?

 筆者の専門、技術経営(MOT)論におけるシナリオ発想の視点から、こういう事件は決して

偶然起こるものではなく、誰かが用意周到なシナリオを作って、シナリオどおり、本間教授

スキャンダルが発覚したと考えられます。その仕掛け人を推定するには、このシナリオ実行

で何が期待され、その結果、誰が利益を得るか、と考えればよいわけです。推測されるオプ

ションは二つ考えられます。(1)従米勢力残党の一掃、(2)安倍内閣の早期崩壊、で

す。まず(1)のオプションに関して、推論のポイントは、本間教授が、竹中平蔵氏の大先

輩である点にあります。小泉政権時代の従米勢力の代表が竹中氏であったわけですが、周知

のように安倍政権では完全にはずされました。日銀の福井総裁も従米勢力のひとりとして村

上ファンド事件にからめて、激しい攻撃に晒されましたが、かろうじて世間の辞任要求から

逃げ切りました。日銀のトップ人事は、もはや日本国首相にはなく、金融系国際寡頭勢力の

手にあるでしょうから、当時の小泉政権も日銀人事には手が出せなかったのではないでしょ

うか。ところで筆者は、安倍政権誕生前の2006年6月時点では、竹中氏はポスト小泉政権の総

理大臣になれなかったら、金融系寡頭勢力の対日圧力により、安倍政権内副総理(この場

合、安倍首相はダミー)か、あるいはポスト福井の日銀総裁に押し込まれると予想していま

した(注1)。

 今回の本間スキャンダル暴露の目的は、竹中氏のポスト福井の日銀総裁就任の芽を完全に

摘む効果を狙っていると推測できます。これにより、竹中氏を筆頭とする小泉政権時代の従

米勢力残党が一掃されるシナリオが出来上がったわけです。さて、現在の日本で、ブッシュ

政権も震え上がる金融系国際寡頭勢力に抵抗できるのは誰でしょうか。それは日本の金融系

官僚で構成される既得権益層しかありません。彼らは、日本を寡頭勢力の侵略から守る愛国

主義者でしょうか。とんでもありません。彼らは単に、戦後、営々と築いた既得権益を死守

したいだけです。一部に、真正愛国主義者は存在するかもしれませんが・・・。

 彼らは、安倍政権を苦境に陥れても、日銀人事を自分たちの手に取り戻したい。それほど

に強い執念です。その意味でオプション(2)の安倍政権の早期崩壊シナリオは、彼らの強

い執念の劇薬的副作用にすぎません。一方、魑魅魍魎の跋扈する自民党与党内では、安倍政

権が早期崩壊するのをてぐすね引いて待っている権力亡者が山ほどいます。早速、ポスト安

倍に向けた便乗組みの水面下の動きが起きているようです。しかしながら、金融系国際寡頭

勢力が、日本の金融系官僚主導による、竹中エージェント一派掃討作戦を許すはずがありま

せん。かつての大蔵省ノーパンシャブシャブ事件と同様の反撃が早速、開始されるでしょ

う。ただし、金融系国際寡頭勢力は、米国の軍事・エネルギー系寡頭勢力ほど、陰謀が得意で

はありません。



3.中川自民党政調会長の反米発言

 2006年12月17日、中川昭一自民党政調会長は、長崎市で講演し、第2次世界大戦で米国が

長崎に原爆を投下したことについて「ああいうものを撃ち込むという米国の判断は本当に人

道的にも許すことができない。原爆投下は犯罪だ」と述べたと報じられています。この自民

党幹部の反米発言は本間スキャンダルの陰に隠れて、マスコミのフォローが少ないですが、

これは看過できない重大発言です。中川氏の発言は、多くの戦後日本人が内心、感じている

ことですが、自民党の幹部の発言という点で極めて重大です。

 太平洋戦争時、トルーマン米大統領が、日本の降伏提案を無視して、核爆弾が開発される

まで日米戦争を意図的に引き伸ばし、原爆の実物実験とソ連の極東侵攻への威圧という二つ

の国家目的を持って、広島(ウラン型核爆弾実験ポイント)と長崎(プルトニウム型核爆弾

実験ポイント)に2種類のタイプの原爆が確信犯的に実験投下されたことは間違いないでしょ

う。当時の米国では、亡命学者のアインシュタインなど、一部の良心的な原子物理学者や知

識人が日本を実験台にした原爆投下計画に、人道的立場から反対運動していたことは有名で

す。その意味で中川氏の発言は正論であるし、戦後日本人の本音そのものです。だからこ

そ、米国のジャパンハンドラーがもっとも恐れるのが、米国の日本への原爆投下の真実を日

本人が知ることによって、日本国民に反米感情が高まることなのです。現在、日本には米軍

が駐留していますが、日本国民に反米感情が高まれば、在日米軍の真の目的(日本の軍国化

防止への監視と、日本を米国本土防衛のための前線基地化すること)が日本国民に悟られて

しまいます。戦後の自民党という政党は、元々CIAの資金援助で生まれた米国の傀儡政党です

が、米国の意図は、日本の反米化を阻止することでした。その意味で中川氏の反米発言は、

米国のジャパンハンドラーの逆鱗に触れるものです。ジャパンハンドラーの逆鱗に触れると

どうなるか。その最大の犠牲者は田中角栄氏です(注2)。

 中川氏は、これらの経緯をすべて知った上での確信犯的対米挑発なのか、それとも彼の酒

癖の悪さがもたらした錯乱的発言なのかは今のところ不明です。いずれにしても、彼はその

うち、闇の権力によって葬り去られる可能性が大です。



4.真正愛国派が台頭するか

 上記、本間スキャンダルと中川反米発言が端緒になって、過剰なまでの対米従属であった

小泉政権への反動から、いよいよ日本に真正愛国派が登場するでしょうか。そのオピニオン・

リーダーは、日本のアインシュタイン的数学者(政治的発言する学者)、藤原正彦氏といっ

てよいでしょう(注3)。

 本間スキャンダルの仕掛け人は真正愛国派を味方に引き入れようとするでしょう。しか

し、お人好しの真正愛国派はこれに惑わされてはいけません。

 ここで、筆者が愛国派にわざわざ、真正と冠したのには理由があります。日本には、上

記、中川氏の父、中川一郎氏などが70年代初頭に結成した青嵐会に代表される反共的保守主

義者(タカ派)が少なからず存在し、愛国派的ポーズをとっています。彼らは、同会出身の

石原慎太郎氏のように極めて反中国的特徴があります。現在では、この反共保守派の大勢

は、産経新聞やPHP研究所に代表されるような反中の親米右翼(注4)と化しています。現在

では、彼らは軍事・エネルギー系の米国寡頭勢力に無意識にマインドコントロールされてい

るのではないでしょうか。したがって筆者は彼らを真正愛国派とは呼びません。つまり親米

右翼は似非愛国派にほかなりません。ところで安倍首相は、祖父、岸信介氏の嫡流として、

この親米右翼に支援されてきた保守政治家です。ところが、上記、中川政調会長は、青嵐会

の先鋭、反米右翼の思想(『NOといえる日本』を書いた時代、1989年の若き石原慎太郎的思

想)の持ち主であることが、今回の中川反米発言で露呈したわけです。その意味で筆者のい

う真正愛国派は、反米右翼に近いと思います。ところが厄介なことに現代の日本右翼は屈折

していて、表向き親米右翼を装いながら、実は隠れ反米右翼であることも少なくないと思い

ます。改悪の教育基本法的愛国心ではなく、真の愛国心が強い日本人(真正愛国派)ほど、

中川氏のような反米右翼(米国にNOといえる日本人)になるはずです。その意味で中川氏の

思想には父親のもっていた愛国思想が根底に存在することがわかりました。講演直前、長崎

原爆博物館を視察して、潜在化していた根底思想が思わず吐露したということです。かつて

の細川首相も、中川氏と同じような真正愛国派的政治家であることが首相になって判明した

ため、米国ジャパンハンドラーによって、すぐに首相の座から引き摺り下ろされたといえま

す。米国寡頭勢力からみれば、自民党政治家はすべて親米右翼であってほしいわけですが、

小泉政権誕生前まで、親米右翼を装う、隠れ反米右翼が多数、自民党内に潜伏していまし

た。2005年9月11日に小泉政権が強行した郵政民営化選挙とは、穿った見方をすれば、自民党

内の反米右翼(真正愛国派に近いが、利権屋も紛れ込む)および親中保守派のあぶり出し

が、究極の目的であったといえます(注5)。この意味で、上記、中川政調会長が、親米最

右翼の小泉政権の閣僚であったことは、なんとも皮肉です。小泉内閣人事を仕切っていた米

国ジャパンハンドラーは当初、自民党内の隠れ反米右翼の抱き込みを画策していたと解釈で

きます。



注1:ベンチャー革命No.199『福井日銀総裁バッシングとポスト小泉シナリオ』2006年6月21日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr199.htm


注1:ベンチャー革命No.195『裏切り者ジャップ:キッシンジャー語録』2006年5月28日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr195.htm


注3:藤原正彦『国家の堕落』文芸春秋、2007年1月号

注4:ベンチャー革命No.157『現実化する日本の孤立シナリオ』2005年4月10日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr157.htm


注5:ベンチャー革命No.176『9.11衆院選挙は茶番か』2005年9月4日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr176.htm




山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kane552004

Author:kane552004
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR