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山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2007年1月17日

                           山本尚利

タイトル:米・イラン戦争:日本のみ石油危機到来



1.米国ブッシュ政権のイラク新戦略:2万人超の増派

 2007年1月10日、ブッシュ大統領はイラク新戦略を発表しました。その内容は、大方の期待

を裏切って、米軍のイラク撤退どころか、なんと2万1500人の増派計画でした。マスコミ報道

によれば、イラクには現在、13万人もの米兵が駐屯しているそうです。その費用は1ヶ月にな

んと1兆円規模のようです。13万人もの米兵をつぎ込んでも、なおイラク戦争の戦後処理がで

きず、泥沼化したイラクに、さらに2万人超の米兵を追加して、イラクの混乱が解決すると思

う人がいたらお目にかかりたいくらいです。ブッシュ大統領のイラク新戦略の発表を聴いて

いると、下手なギャンブル狂が大負けを取り戻そうと、あぶない借金してまでも、さらに一

か八の大博打に打って出るというシーンを連想します。ブッシュはいったい何、考えている

のだと怪訝に思う人も多いでしょう。

 さて2006年11月の中間選挙でブッシュ共和党は大敗北しています。その敗因は、米国民の

過半数が、ブッシュ政権のイラク戦争の戦後処理が失敗であったとみなしているからだとい

われています。ブッシュ政権がまともな政権であったなら、たとえ、みずからは本心でイラ

ク戦略の失敗を認めていなくても、民主主義国家であるかぎり、米国民の意思を尊重して、

イラク撤退作戦を発表するのが常識です。ところがブッシュ大統領は、連邦議会の多数派と

なった米民主党の反対を承知の上で、この2万人超の増派というイラク新戦略を発表している

わけですから、発表時点で、ブッシュ政権と民主党との折り合いは、密かについていると思

います。つまり、米国民の意を受けて多数派となった民主党のメンツを失わせないで、ブッ

シュ政権によるイラク増派は行われるということでしょう。具体的にどうするのか知れませ

んが・・・。



2.ブッシュのイラク戦略は失敗だったのか、とんでもない!

 マスコミに登場する日本の識者の多くは、ブッシュ政権のイラク戦略は失敗であり、更な

る増派は、間違っている。イラクの泥沼化はさらに悪化するだけであるから、至急、米軍の

イラク撤退を実施すべきであるというものです。ところが筆者の見方は大きく異なります。

ブッシュ政権を闇で操る戦争屋(注1)は、イラク戦争の戦後処理をわざと泥沼化させてい

ると思います。なぜか、その理由は、戦争屋にとって、中東での長期軍事戦略目標が2007年1

月時点ではまだ達成されていないからです。戦争屋はそれほど間抜けでもないし、トンマで

もありません。実にしたたかです。さて彼らの長期軍事戦略目標とは何でしょうか。筆者の

見方では「中東産油国のイスラム原理主義政権を軍事的にすべて崩壊させて、中東の石油利

権を完全奪取する」ことなのではないでしょうか。筆者の16年半に及ぶ米国シンクタンク、

SRIインターナショナルでの経験から、彼らの思考パターンは基本的に目的志向型だと思いま

す。具体的に説明すると、米国覇権主義者の中核、戦争屋は、クリントン政権時代に、上記

のような長期軍事戦略目標をすでに設定していたと思われます。この軍事戦略目標を達成す

るための第一弾の実行計画が、ブッシュ・ジュニア政権を強引に誕生させることでした。そ

のために大掛かりな国民だましや選挙不正が行われたのです。彼らは、目的達成には手段を

選ばずの人たちですから。次に、2001年1月から2007年1月の今日まで、戦争屋が上記、長期

軍事戦略目標達成のため、ブッシュ政権存続期間を利用して実行してきたのが、2001年の

9.11事件、アフガン戦争、そしてイラク戦争であったとみなすことができます。2007年1月の

今日から、ブッシュ政権が交代する予定の2008年12月までの約2年間、戦争屋が長期軍事戦略

の最終目標達成に向けて、是が非でも、成就しなければならないのが「イランのイスラム原

理主義政権の軍事的排除」なのです。この戦術目標を達成して初めて、戦争屋の長期軍事戦

略目標が達成されるわけです。

 このような見方にたてば、ブッシュ政権のイラク戦略は失敗でも何でもありません。予定

どおり粛々と進んでいるとみなせます。ところが、緻密な戦争屋にも誤算がありました。そ

れは2006年6月のオタワ・ビルダーバーグ国際会議にて、金融系の世界的寡頭勢力中心に、戦

争屋のイラン攻撃計画を正式に反対決議されたこと(注1)でしょう。なぜ、銀行屋が反対

したかというと、単に「お前ら、金がないくせに、戦争ばかりやるな、次はわれわれ銀行屋

が世界を仕切るぞ」というものではないでしょうか。その後、世界的寡頭勢力における戦争

屋と銀行屋の間で、熾烈な闇駆け引きが行われ、最近、戦争屋のイラン攻撃計画が復活した

(注2)と筆者はみています。



3.米・イラン戦争勃発のインパクト:日本のみの石油危機

 2007年1月16日発行の田中宇氏の国際ニュース(注3)によれば、米・イラン戦争はすでに

水面下で始まっているようです。その推測を裏付ける兆候が随所にみられるとのこと。たと

えば、2007年1月9日、川崎汽船の日本向け石油タンカーが、米国の原子力潜水艦、ニューポ

ートニューズとペルシャ湾ホルムズ海峡にて接触事故を起こしたというニュースが流れまし

た。なぜ、ペルシャ湾に米原潜がうろついているのでしょうか。確かに、イラクのテロリス

ト征伐に原潜は不要です。これはただごとではない!ああー、やっぱり、いくら米国民が反

対しても、米軍のイラン攻撃計画は猪突猛進、後に引けないようです。上記のように、現

在、イラクに13万人もの米兵が駐留しているのは、ほんとうにイラクの戦後処理だけなの

か、大変疑問です。この13万人の米兵は、いつでもイラン攻撃用に振り向けられるようにし

ているのであれば、納得です。このまま行けば、米軍のイラン攻撃開始は2007年3月といわれ

ています。米・イラン戦争も、日米太平洋戦争に準じて、悪役にされるイランが先に手を出す

ように仕向けるでしょう。具体的には、イスラエルが、まずイランに挑発を仕掛けて、イラ

ンがイスラエルにミサイルを撃つ。これで、米国のイラン攻撃が正当化されます。

 ところで2007年2月には、ブッシュ政権のチェイニー副大統領が訪日するそうです。彼の訪

日目的は、自衛隊の米・イラン戦争への参加要請と、米国連邦政府のイラン戦争資金調達の

ための日本政府への出資要請(米国債購入)ではないかと推測されます。安倍政権は、

元々、チェイニーを雇っている戦争屋の闇サポートで成立した政権ですから、チェイニーの

要求を蹴ることはできないでしょう。チェイニーやキッシンジャー一派(戦争屋の先手)

は、賢明なる日本国民が、土壇場で目覚めて、自衛隊のイラン派兵に反対するかもしれない

ことを予想しています。そのときは、キム・ジョンイルを恫喝して、横田めぐみさんなど、

拉致被害者を急遽帰国させて、日本国民の目をそらすという奥の手まで用意しているでしょ

う。最近、山崎拓氏が、北朝鮮訪問したのは、このような米朝の密約が関係しているかもし

れません。戦争屋を含む世界的寡頭勢力は、日本の幕末時代にも、薩長連合軍と幕府軍の全

面戦争を仕掛けたのですが、土壇場で当時の両軍の日本人指導者が、彼らの陰謀に気づき、

最終的に徳川慶喜の大政奉還で全面戦争を回避した歴史があります。そのため、世界的寡頭

勢力のジャパンハンドラー部隊は、頭脳明晰な一部の日本人に対しては一瞬の油断も禁物と

考えているはずです。ところで米国のイラン攻撃計画への日本の対米協力が、日本国民へ与

えるインパクトとは何でしょうか。筆者は、良いインパクトと悪いインパクトと両方あると

思います。まず、良いインパクトとは、近未来の極東戦争の芽が、しばらく消えるという点

です。このインパクトは実に大きい。自衛隊員には誠にお気の毒ですが、彼らが犠牲(中東

に派兵される)になって、一般日本国民の安全がしばらく守られるわけです。イラン戦争が

米国の勝利に終わるまで、とりあえず、極東戦争は起きないといえます。何年かかるか知れ

ませんが・・・。次に、悪いインパクトは、もし米・イラン戦争が始まったら、イランがまず

ホルムズ海峡封鎖を行うであろうという点です。そうなれば、日本の中東産石油の輸入(全

石油輸入量の85%を中東依存)が全面ストップする可能性がある点です。日本の石油備蓄量は

162日分ですから、米・イラン戦争が始まって、米軍が半年以内にホルムズ海峡を制圧できな

いかぎり、世界で日本のみが深刻な石油危機に陥るわけです。そこで、日本国民がいかに反

対しようが、日本への石油輸入シーレーンの安全保障という名目で、自衛隊のイラン戦争参

戦が避けられなくなるということです。その意味でも、戦争屋にとって、日本の自衛隊を中

東に引きずり込むには、イランにホルムズ海峡を何とか封鎖させるよう仕向けたいわけで

す。こうして、日本は、戦争屋に完全に首根っこを押さえ込まれることになります。さて、

この状況には既視感(デジャヴ)があります。それは、世紀末、シリコンバレーを含むカリ

フォルニア州が戦争屋の先手、エンロンの天然ガス供給権の独占によって、電力危機に見舞

われ、その後、ネットバブル崩壊に至った現象が、さらに大規模化した形で、日本でも起き

うるということです。つまり、最悪、日本経済崩壊シナリオを想定しておく必要がありま

す。

 いずれにしても、狂った戦争屋を鎮めることができるのは、金融系の世界的寡頭勢力であ

る銀行屋のみであって、日本政府ではありません。したがって、彼らのイラン戦争実行計画

を禁止したら、単にセカンドチョイスで、極東戦争を引き起こされるのが関の山です。以上

の議論から、筆者の結論は、戦争屋に極東戦争を引き起こされるくらいなら、まだイラン戦

争を引き起こされる方が、日本国民への被害が相対的に少ないということです。東アジア人

に代わって、先に犠牲となる中東の人々には大変申し訳ありませんが、背に腹は代えられま

せんから・・・。



注1:ベンチャー革命No.210『米国中間選挙:戦争屋から銀行屋へバトンタッチ』2006年11

月12日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr210.htm


注2:ベンチャー革命No.216『フセイン元大統領処刑のインパクト』2006年12月31日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr216.htm


注3:田中宇 国際ニュース『すでに米・イラン戦争は始まっている?』2007年1月16日

http://tanakanews.com/070116iran.htm




山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm


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