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山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2007年3月30日

                           山本尚利

タイトル: 日本官僚の天下りシステムは天下一品?



1.安倍内閣の天下り禁止策の狙いとは

 最近、渡辺喜美行政改革担当相の活躍が目覚しいようです。安倍首相の命を受けて公務員

制度改革の目玉として「官僚天下り禁止」提案を発表したからです。官僚天下りの禁止に伴

い、その代わりとして官僚向けの「新・人材バンク」創設をぶちあげています。2007年7月22

日、全国参議院選挙を控えて、安部自民党が勝利を収めるために、官僚の天下り禁止提案

は、いかにも国民受けしそうな選挙ネタであるのは事実です。

 ところで2006年の会社法改正の際、時期尚早と延期されていた「三角合併」(企業買収資

金をもたなくても、株式交換で企業買収を可能にする手品的手法)が2007年5月1日いよいよ

施行されます。そうなれば日本企業の外資化がいっそう促進されると見込まれています。そ

の結果、外資化される日本企業の社員がリストラされる事例が、今後急増すると予想されま

す。そして、民間企業で働くサラリーマンと公務員(国家公務員100万人、地方公務員300万

人)の、雇用保障における身分格差がさらに拡大し、日本全国に不公平感が蔓延するでしょ

う。もし、このような公私の不公平性を放置すれば、安倍政権は危うくなるのは火を見るよ

り明らかです。その意味で、米国連邦政府の年次対日改革要求に基づく日本企業の外資化促

進策と、今回の官僚天下り禁止策はセットとなっていると思われます。つまり、近未来リス

トラされるであろう大量のサラリーマンの不満、また低賃金にとどめ置かれる大量の一般サ

ラリーマンの不満が政治家に向かわず、官僚に向かうよう仕向けられているということで

す。

 さて小泉内閣時代、小泉首相は、自民党内のハコモノ利権派を抵抗勢力として敵視するこ

とによって内閣支持率を確保してきましたが、安倍内閣の官僚天下り禁止策とは、霞ヶ関官

僚を抵抗勢力に仕立てて、内閣支持率を確保する政治戦略のひとつとみなせます。霞ヶ関官

僚は、その安倍内閣の選挙戦略を承知した上で、参院選が終わるまで悪役を演じさせられる

のでしょうか。もしそうだとしたら、とんだ茶番です。



2.安倍首相は本気なのか

 さすがの小泉前首相もアンタッチャブルであった官僚天下りの禁止策を、安倍首相はケロ

っとして、いとも簡単に提案してみせましたが、これがどういうことか、真にわかって提案

しているのか首をかしげてしまいます。なぜなら日本官僚の天下りシステムこそ、国際寡頭

勢力も手を焼く世界最強の日本官僚システムの根幹を支える不働態的古層だと筆者は思うか

らです。そう簡単には壊せない。コレを本気で壊そうと企んでいるのは、安倍自民党ではな

く、むしろ日本完全支配を企む国際寡頭勢力の方でしょう。安倍首相は能天気にも、国際寡

頭勢力がバックについて応援してくれていると独りよがりの勝手な期待をしているのでしょ

うか。

 安倍内閣がもし、強固な岩盤を思わせる日本型官僚天下りシステムを崩壊させることに成

功すれば、2000年におよぶ日本歴史に刻まれる快挙となるでしょう。

 日本の官僚のうち、とりわけ国家官僚は、年間300兆円(一般会計80兆円、特別会計200数

十兆円)の国家予算を握る国家権力そのもので、源泉徴収制度に代表される世界一強力な強

制徴税システムを確立しています。しかも日本の与党政治家は官僚出身者が多く、300兆円の

予算利権(レント)の山分けに関して、完全に政官一体化しています。世界に類を見ない巧

妙なる日本型官僚天下りシステムは、この年間300兆円の巨額利権構造と密接につながってい

るわけですから、国家予算利権の采配を官僚に委ねたままで、官僚天下りのみを禁止するこ

とができたら、まさに奇跡です。その観点から筆者には、安倍内閣の提案する新・人材バン

ク制度は姑息な仕組みにしかみえません。問題は、安倍首相が姑息とわかった上で参院選向

けに提案しているのにすぎないのか、それとも、これで天下りシステムが簡単に破壊できる

とでも思っているのかにあります。もし後者なら、失礼ながら安倍首相は救いがたい能天気

指導者です。一方、このような安直な提案にコロっとだまされるようでは全国の選挙民の程

度が知れます。日本の官僚は世界一、ずるがしこい人種と筆者は思っています。したがっ

て、安倍内閣がどのような天下り規制案を持ち出しても、巧妙に骨抜きにされるでしょう。

否、それどころか、これまでよりさらに巧妙な天下りが行われるようになるのが関の山でし

ょう。まさに官僚の焼け太りと高笑いに終わるにちがいありません。下手な鉄砲ならば打た

ないほうが賢明です。

 ところで日本型官僚天下りシステムを弱体化させる方法はただひとつ。それは米国のよう

に、政権交代が起こるたびに、高級官僚をいったん全員解雇して、リシャッフルする以外に

ありません。安倍内閣にこのような離れ業ができるでしょうか。米国では州知事が交代して

も、州政府の上級公務員は知事が指名するので、連邦政府公務員のみならず、地方自治体公

務員の雇用も実に不安定です。このように政権交代にモロに左右される公務員の雇用は不安

定であるというのが世界の常識です。世界の民主主義国家の間では、どれほど不況になって

も、国民の支払う税金(公金)で扶養される公務員の雇用が安泰なのは日本くらいのもので

しょう。もっとも、日本は実は民主主義国家ではなく、実態は封建的官僚主導国家だと筆者

は思いますが・・・。また、米国では政府のみならず民間企業においても、組織トップが交

代すれば、上級管理職ほど、無条件で交代させられるリスクが高まります。なぜなら、産官

学を問わず、米国では組織のトップ個人に権限と責任が集中しますから、交代した組織のト

ップは、己の部下として信用できる人物(勝手知ったる人物)を新たに指名する習慣がある

からです。その意味で、いくら組織トップが交代しても、組織構成員の雇用を最優先する日

本型官僚システムがいかに世界の常識からはずれているかが思い知らされます。



3.日本の天下りシステムのすばらしさ?

 上記のように、日本型官僚システムがいかに世界の常識からはずれていようとも、日本の

官僚天下りシステムは、組織学的に、やはり天下一品だと筆者は思います。官僚トップにと

って組織ヒエラルキーの秩序を維持する上においてこれほどすばらしいシステム(?)は無

いといって良いでしょう。つまり、組織学的に日本型官僚システムは、西欧民主主義的組織

ヒエラルキーより本質的に優れていると筆者は思います。だからこそ、トップの顔の見える

組織に慣れてきた欧米人にとって、トップの顔の見えない日本型官僚組織ほど不気味なもの

はないのです。ちなみに、日本型官僚システムは、島国、単一民族国家という条件の下に、

さらに強力に機能するわけです。このような特殊条件は日本以外では容易に実現できませ

ん。

 さて戦後日本の大企業の多くも、90年代初頭のバブル崩壊まで、日本型官僚システムを模

倣して世界第二位の経済大国の実現に貢献してきたと評価できます。日本の民間大企業の場

合、多数の子会社や系列会社をつくって幹部天下りシステムを機能させてきたわけです。こ

の日本独特の仕組みに早くから気づき、もっとも脅威を抱いたのは国際寡頭勢力でした。彼

らは80年代初頭から、日本の産官学組織に広く普及した日本型官僚システムの計画的破壊を

狙っていたと筆者は思います。

 そして彼らの期待どおり、グローバル競争時代の到来とともに、日本型官僚システムは弱

肉強食の厳しい国際競争原理に対応できなくなりました。90年代初頭のバブル崩壊以降、ま

ず日本大企業の官僚システムが動脈硬化を起こし、サムソンに代表される韓国の競合企業と

の国際競争に負け始めました。日本型官僚システムは熾烈な国際競争に曝されて逆境に陥る

と、その脆弱性が露呈することがわかりました。たとえば今日、外資に解体されようとして

いる、苦境のサンヨー電機などは、古きよき時代の企業家族主義からの脱却に遅れ、ともす

れば肥満化しやすい日本型官僚システムの欠点を克服できなかった代表格といえましょう。

 ところが、2007年の今日に至るまで、民間企業と違って、国際競争に曝されることのなか

った日本の官僚機構には、上記の日本型官僚システムが、ラストリゾートのように頑固に居

残っているわけです。簡単に壊れるはずがありません。ところで、安倍首相は、このような

戦後日本の産官学組織に対する深い歴史認識に立脚した上で、官僚天下り禁止を唱えている

のでしょうか。



山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm


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1 ■強制的に日本人は公務員のクイモノになってきた!

公務員が天下りすることによって、日本の法人も個人もすべて公務員の占領地となってきた。公務員が天下りすることによって、日本人は各省庁の植民地として強制的に狩り集められてきたのである。このように日本の公務員はあらゆる日本人を公務員の強制奴隷にしている。公務員は天下り禁止の骨抜き法案で公益法人や特殊法人に天下ろうとして、あくまでも日本人の強制奴隷化をますます推し進めている。これは公務員が権力をふるう植民地と奴隷をなんとしてでも確保しようとする公務員の残虐さの現れである。いままでにも日本の公務員は陰であらゆる犯罪をやりまくってきた。公務員は日本の資金やスタッフをすべて独占し、殺人や強盗をやりながら犯罪権力をふるいまくってきた。まずは公務員にならなければ日本では出世も何もできないし、人権すら奪われるのである。こうしたことからも平気で他人を破壊し他人を奴隷化する日本の公務員のきわめて残虐な性格がよくわかる。公務員の天下りを阻止することで、日本人は公務員の奴隷状態から解放されなければならないのだ。

2 ■無題

仰るとおりです・。
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