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山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2007年8月7日

                           山本尚利

タイトル: 美しくない主君:安倍総理



1.美しくない安倍首相の二枚舌

 筆者は以前から、安倍首相の二枚舌が気になっており、その危険性を指摘していました

(注1)。その安倍首相がまたまた、とんでもない二枚舌を使いました。2007年8月6日、広

島での原爆死没者慰霊祭の式典において日本国内閣総理大臣としての式辞で「今後とも、憲

法の規定を遵守し、非核三原則を“堅持”していくことを誓います」と述べました。TVニュ

ースでこの式辞を聞いて、筆者はアレー!と思いました。なぜなら、安倍氏はもともと核武

装容認論者であると、筆者は理解していたからです。だからこそ、彼は日本の核武装推進の

妨げとなる平和憲法の改正を参院選の争点にしたいと考えていたはずです。ちなみに、2002

年5月13日、安倍氏は副官房長官時代、早稲田大学での非公開講演にて、戦術核や核兵器の保

有は憲法違反ではないと発言したことは、サンデー毎日のスクープ記事によって、今では公

知の事実となっています。安倍氏は個人的には、憲法改正なしでも、日本の核武装は可能で

あると考えるほどの強引な核武装容認論者なのです。

 彼にこの点を正せば、総理大臣としての公的立場と、私人の立場は異なるから、上記の広

島での式辞はなんら問題ないと平気で答えるでしょう。

 筆者がどうしても理解できないのは、安倍氏が本心とまったく反対のことを、日本国民の

みならず、世界に向かって平気で公言できる点にあります。国家リーダーの立場での、この

ような二枚舌は、必ず、とんでもない事態を招くに違いないと思います。

 そこで、ネット上では、安倍氏は非核三原則を“堅持”するのではなく、“チェンジ”す

ると発音しているのではないかと揶揄されています。将来、野党議員から国会質問などで、

安倍氏は「非核三原則を堅持する」といいましたね、と念を押されたら、イケシャーシャー

と、いや、あれは「非核三原則をチェンジする」と言ったつもりですと、平気で言い訳しそ

うです(笑)。



2.美しくない安倍首相のリーダーシップ

 なぜ、安倍氏は、平気で二枚舌を使えるのか、また、参院選で「国民の皆さんは、私を取

るか、小沢氏を取るか、それがこの参院選で問われています!」と絶叫して大惨敗したの

に、なぜ、平気で「続投宣言」がだせるのか、窮地に立たされた安倍氏の一挙手一投足は筆

者の想像を絶することばかりです。安倍政権は何者かによって意図的に陥れられている(注

2)ので心情的には、多少とも安倍氏に同情的であっても、リーダーシップの何たるか、彼

はわかっていないのではないかといわざるを得ません。

 国家はもとより、産官学のいかなる組織においても、リーダーシップの何たるかは中国の

故事を引くまでもなく、古今東西、永遠に不変です。リーダーたるもの、二枚舌と、責任逃

れだけは絶対にやってはいけません。さらにいえば、家族という人類の基本構成単位におい

ても、親の子に対するリーダーシップなして健全な家庭は維持されません。言っていること

がコロコロ変わる親を子が信頼するはずがないし、責任感のない親を子が信頼するはずがあ

りません。これは人類社会のみならず、類人猿社会でも同じではないでしょうか。これらの

ことは知性というより、むしろ本能に属するリーダー(ボス)の基本スタンスでしょう。安

倍首相は、家庭でもやってはいけないことを、あろうことか、国家レベルでやっているので

す。

 映画の宣伝で来日した米映画俳優のジョージ・クルーニーがたまたま、2007年7月29日の参

院選のニュースを知り、日本のTV局の記者に向かって「自民党は大惨敗したのに、安倍首相

はなぜ辞めないのか、国民はなぜ、安倍首相の続投を許すのか、理解に苦しむ」と言ってい

ました。普通、米国の俳優は日本の政治に口出しすることはありませんが、よほど、不思議

だったのでしょう。

 筆者が安倍氏の価値観の内面を想像するに、彼にとって、総理大臣という日本最高ポスト

を獲り、その地位を守るということがすべてに優先するのでしょう。要するに、“総理大臣

である”ということが目的化しているため、その目的を達成し、”総理大臣である“状態を

死守するためには、「何でもあり」なのでしょう。安倍氏は、まさに封建的「である」の価

値観のかたまりなのです(注3)。



3.美しくない安倍首相の自己保身

 戦前までの日本は封建的社会であり、その影響で、戦後の日本にも封建的価値観が残って

いるといえます。たとえば、皇室、政界、歌舞伎界では今日まで封建的世襲制が引き継がれ

ています。安倍晋三氏も、赤城徳彦、前農水大臣も二世、三世の政治家です。地方では、

代々政治家の家系は、地元に既成の選挙基盤をもち、二代目、三代目が当然のごとく、その

選挙基盤を引き継いで当選する例が跡を絶ちません。とりわけ万年与党の自民党において

は、時代に逆行するかのように、世襲政治家が増加しているといえます。ということは、地

方を中心に現代日本の選挙民は暗に、政治家の世襲制を認めているということです。つま

り、日本国民の多くは知らず知らず、封建的価値観に支配されているということです。

 さて封建制社会には厳然たる身分制、階級制が存在しており、世襲制を採ることが多いと

いえます。日本は2000年の歴史のうち大半が封建制社会であったわけです。封建制はときの

権力者・支配者の既得権益を防衛するのに適しており、権力者・支配者は、いつの世でも何

とか封建制を維持しようとするのは当然です。現に、民主主義の先進国であるはずの米国に

おいても、確かに表面的には民主主義制政治が採用されていますが、その実態は、世襲制に

近い封建的寡頭勢力(双頭の鷲)に闇支配されているといってよいでしょう(注4)。

 一方、日本においては、民主主義は戦後、GHQから押し売りされたもので、現在も天皇ファ

ミリーが存在しているのみならず、産官学のあらゆる既成組織に封建的基本構造が古層のよ

うに埋め込まれています。つまり、米国においても、日本においても、民主主義は一種のま

やかしであって、実質的に封建制は温存されているわけです。その意味で世界の歴史は今で

も、実質的に封建制で動いているといってよいでしょう。それでは、現代においてもアンチ

民主主義の封建制がしぶとく、生き残れるのはなぜでしょうか。その秘密を推測するに、封

建制社会では、権力者・支配者の既得権益が保護・維持される一方で、権力者・支配者に

は、ノブレス・オブリージェ(貴族の義務)、騎士道あるいは武士道という厳格な自己規制

が課せられてきました。つまり封建制維持の秘訣は、権力者・支配者が自己否定的な自己規

制を課すことで、巧みにバランスを取ってきた点にあります。

 一方、現代の日米の民主主義社会において、表向きの権力者・支配者である政治家や官僚

は公僕(Public Servant)と位置づけられます。つまり、彼らが「命を賭ける」べき相手

は、国民なのです。そこで米国では、実質的な権力者・支配者である寡頭勢力(双頭の鷲)

は、国民のために命を賭ける代わりに、決して表にでないという自己規制を課しています。

 その意味で米国の大統領は寡頭勢力の傀儡(かいらい、パペット)にすぎません。

ところで、西欧のノブレス・オブリージェに相当する封建日本の武士道において代表的なも

のはいわずと知れた「切腹」です。切腹とは責任あるものにとっての究極の「自己否定」行

為と考えることができます。武士にとって責任をまっとうするという意味は常に「命を賭け

る」ということであったのです。問題は誰に対して責任を負うか、です。封建社会において

は、それは主君(絶対的権力者)であった。

 さて、封建的価値観に支配される安倍首相の場合はどうでしょうか。戦後の民主主義日本

において、総理大臣として彼が「命を賭ける」べき相手(主君)は当然ながら、国民です。

だからこそ、総理大臣の彼は、国民に対して間違っても「自己保身」的に振舞ってはいけな

い。

 ところが、彼の大きなカンチガイ(裸の王様)、それは、彼にとって「命を賭ける」相

手、主君は、なんと、自分自身だったのです。彼が、ナルシストと陰口をたたかれる所以で

す。封建社会における主君とは、絶対的な存在であり、アンタッチャブルな聖域に位置する

のです。彼がなぜ、ぬけぬけと続投宣言したか、これで納得です。



注1:ベンチャー革命No.226『日本を孤立に導く安倍首相の危険な日和見主義』2007年4月15



http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr226.htm


注2:ベンチャー革命No.233『安倍政権を攻撃しているのは何者?』2007年7月8日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr233.htm


注3:ベンチャー革命No.033『丸山真男の遺言』2003年1月2日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr033.htm


注4:ベンチャー革命No.150『双頭の鷲:北朝鮮経済制裁とライブオアの関連性』2005年2月

19日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr150.htm




山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm

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