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山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2007年9月7日

                           山本尚利

タイトル: 米国覇権主義者の陽動作戦にひっかかるな



1.なぜ安倍おろしか

 2007年9月7日のTVニュースに、ワシントンDCにて駐日米国大使ジョン・T・シーファー氏が

小沢民主党党首に向けて本年11月に期限を迎えるテロ特措法の延長に反対しないよう示唆す

る演説をしているシーンが映し出されました。

 同じくグッドタイミングで、9月4日のヤフー政治記事にハドソン研究所の日高義樹氏(注

1)がシーファー大使と小沢代表との会見を批判しています。日高氏が批判しているのは小

沢氏が「日本は米国と対等だ」と主張している点にあるようです。日本が戦後60余年、安全

でこられたのはアメリカ様のおかげであるぞ、そのご恩を忘れたのかと小沢氏を批判してみ

せています。

 ところでシーファー大使も日高氏も共和党系であり、軍事・石油系寡頭勢力(戦争屋)の

一派です。一方、隠れ親米である小沢氏は、ポスト・ブッシュの覇権を握る予定で、現在、

台頭しつつある国際金融資本系寡頭勢力(銀行屋)に近いといわれています。小沢氏が戦争

屋の脅しを怖がらないのは、このようにちゃんと理由があるわけです。

 もし小沢氏率いる日本の民主党や野党がテロ特措法の延長に対し断固、反対を貫けば、民

主党は参院第1党なので延長法案は衆院を通過しても参院で否決されるはずです。

 いずれにしても、戦争屋の本音では、自衛隊の後方支援(パシリ)にたいして期待してい

ません。シーファー大使の演説には何かウラがありそうです。その意味で、国内世論がテロ

特措法云々の議論にばかり注意がいくと、またも彼らの思う壷でしょう。

 ここで、おもしろいことに日高氏は小沢批判と同時に安倍首相も批判しています。安倍首

相が最近よく口にする「戦後レジームからの脱却」の真意を「安倍内閣にて日本は本格的に

米国から独立を果たす」と理解しているようです。もしそうなら、戦争屋にとって安倍首相

は隠れ対米面従腹背のウラギリモノ!ですから、戦争屋が闇勢力を活用して安倍おろしに走

るのは納得です(注2)。ただ、最近の自民党は戦争屋の覇権力の低下を見越して、小泉政

権時代以前の昔の対米面従腹背政治家主導に回帰する兆候がみられます。だから自民党内部

からの安倍おろし圧力が弱いのも合点です。今後、戦争屋と対米面従腹背政治家との確執が

みものです。今、彼らの多くが利権屋でもあるため、その弱点、経費不正をつつかれてテン

ヤワンヤとなっています。



2.米国覇権主義者の狙いは「他人のふんどしで相撲を取る」こと

 米国民主党をサポートする銀行屋は、ポスト・ブッシュをヒラリー・クリントンで行こう

としていると思われます。銀行屋は戦争屋と違って日本の政治にはそれほど関心がないかも

しれませんが、近未来、ヒラリー・クリントン時代が到来すれば、日本を民主党政権にして

もよいと考えているでしょう。小沢代表がそのことをわかっているなら、戦争屋系のシーフ

ァー大使のいうことを聞かなくても怖くないわけです。

 「日本は米国と対等だ」と小沢氏が吼えても、金儲けしか興味ない銀行屋はあまり気にし

ないでしょう。忠犬ポチ小泉前首相(戦争屋の傀儡)との対比で国民には小沢代表の方がか

っこよくみえるわけです。

 ところで、米国では住宅バブル崩壊とかで、サブプライム・ローンの焦げ付きが起きてい

るようです。そのせいか、7月上旬くらいから急激な円高(ドル安)が起きています。8月17

日のニュースでは日銀が1兆2000億円の公開市場操作を行ったと報道されています。

 同様の公開市場操作は小泉政権下、2003年春に勃発した米国のイラク先制攻撃前後にも起

きています。このとき日本政府の外貨準備高が異常に跳ね上がっています。小泉政権は当

時、イラク戦費調達のための米国債を30~40兆円規模購入したといわれています。故吉川元忠

氏の「新帝国循環」という現象の一環でしょうか(注3)。柳の下のどじょうで、現ブッシ

ュ政権は今回も意図的に円高ドル安を演出して、またも日本に米国債を大量に買わせて、イ

ラン戦争に望もうとしているのではないでしょうか。米国内でレームダック化した現ブッシ

ュ政権がイラン先制攻撃戦略を米国議会で承認を得る方法、すなわち民主党優勢の米国議会

が許す条件はただひとつ、それは「他人のふんどしで相撲を取る」ことです。たとえば、日

本政府を騙して戦争資金をださせてイラン戦争するなら、米国民の懐は痛まないから米国民

主党もやむなく認めるであろうということです。

 米国覇権主義者は共和党、民主党を問わず、常に、このような発想する人種であることを

われわれ日本人は全員、肝に銘じておくべきです。

 しかしながら、今回、政府・日銀がしぶしぶ差し出すであろう、上記、1兆2000億円ではま

ったく不足なのです。戦争屋はしびれをきらしています。何をしでかすかわかったものでは

ありません。だから戦争屋の期待を背負って誕生したはずの安部内閣は支離滅裂になった戦

争屋から散々な目に合わされているということです。

小泉政権時代と違って、現在の日本政府の金融覇権は、対米面従腹背の金融官僚(反竹中一

派)に奪還されていますから、戦争屋の思惑どおりに気前よくドル買いをするわけがありま

せん。しかも、戦争屋の米国内覇権力は低下しているので、日本の金融官僚はその足元をみ

ているわけです。この点においても、ライバル竹中平蔵氏を閣内に入れなかった安倍首相を

戦争屋は許さないということです。竹中氏をはずした安倍氏に深謀遠慮はなく、単に、ライ

バルを敬遠しただけの近視眼的采配でしかなかったのですが・・・。竹中氏とは大違いの能

天気、安倍首相は世界一狡猾な日本の金融官僚をコントロールできるはずがありません。ま

た、ポスト福井の日銀総裁の座を狙わされていた竹中氏の復活も見込み薄でしょう。



3.米国のイラン戦争を止められないか

 2007年9月7日のニュースによればイスラエルがシリアを空爆して挑発しているようです。

シリアの後ろにはイランがついているといわれています。まさに中東は風雲急を告げる情勢

です。

 2007年9月11日、9.11事件6周年記念日を控えて、またも善玉役(?)ブッシュの宿敵、悪

玉役のアルカイダのアジテーター役、オサマ・ビンラディン様が戦争屋系列メディアにご登

場されるそうです。なんとタイミングのよいことか。戦争屋は今、相当あせっています。安

倍首相が窮地に立っているということは、今の安倍政権が、小泉政権時代のように戦争屋の

思い通り動かないので、その腹いせをされているのではないでしょうか。前述の日高氏は、

戦争屋のあせりを代弁しているようなものです。

 あせる戦争屋は、あろうことか2007年10月19日にブッシュ大統領が暗殺されるという映画

(英国映画)まで製作しています(注4)。彼らは傀儡でしかないブッシュ・ジュニアに対

しても苛立っているのでしょう。ここまで来ると、もはや狂っているとしかいいようがあり

ません。その意味でテロ特措法なんて、われわれの税金で扶養されている自衛隊を狂人の下

僕に利用する法律でしかないでしょう。

 彼らは何としても、イラン先制攻撃を実行に移したい。イランの背後に控えるプーチン率

いるロシアの国力が急上昇している今、一刻も早く、イランをたたいておきたいのでしょ

う。さもないと、米国の本命の同盟国、イスラエル(米国の同盟国はイスラエルや英国であ

って、日本は決して米国の同盟国ではない。日高氏のいうとおり)が破滅させられる危険が

あるからです。狂人は狂人なりに同胞を守るために必死なのです。

 しかし、ここで断っておきたいことは、米国のイラン先制攻撃戦略は日本国民の国益には

まったく関係がないということです。戦争屋が国際貢献という言葉を口にするとき、それを

真に受けるのはトンマのお人好しでしかありません。



4.米国覇権主義者の陽動作戦はいつもの手口

 1991年、パパブッシュ政権時代に戦争屋の仕掛けた湾岸戦争の際、日本は130億ドル(当時

のレートで1兆3000億円)を戦争屋に喝上げされました。上記のように、今回、政府・日銀が

差し出すであろう1兆2000億円(米国債購入代金に相当)という数字の根拠は、湾岸戦争の拠

出金相場に合わせたのではないでしょうか。

 91年当時の海部俊樹内閣の官房長官が小沢一郎氏(実質的な自民党ボス)でしたが、対米

拠出金130億ドルを決めた張本人こそ、小沢一郎その人でした。このとき戦争屋は何といった

か、金だけ出して、自衛隊の派遣を拒否したと散々、悪態をついたのです。日本は平和憲法

を盾にして、国際貢献をお金で済ませようとする卑怯な国と罵られました。2003年のイラク

戦争では、今度こそ国際貢献しろと迫り、このテロ特措法が小泉政権主導で、でっちあげら

れたわけですが、ウラで湾岸戦争とは桁違いの拠出金が動いたのです。

 ところで、戦争屋はお得意の陽動作戦を今回もとっているような気がします。

91年の湾岸戦争のとき、日本国民の虎の子、130億ドルを喝上げした後ろめたさを糊塗するた

め、日本は国際貢献しないと非難することによって、喝上げした戦争屋の後ろめたさを、国

際貢献しない日本国民の後ろめたさに転化しています。彼らはとことんしたたかです。前ク

リントン政権の参謀で、ハーバード大学教授のジョセフ・S・ナイ氏は戦争が私有化されてい

ると述べています(注5)

 筆者は湾岸戦争もイラク戦争も戦争系米国覇権主義者による私的戦争だと思います。その

実態を知れば国際貢献も、へったくれもないのです。湾岸戦争は戦争屋がサダム・フセイン

を騙して起こしたものということです(注6)。真珠湾奇襲の罠とそっくりです。戦争屋は

フセインを騙す感覚と同じ感覚で日本国民を騙そうとするわけで、人種差別主義者としての

その感覚は、先日のブッシュ演説(注4)に実によく表れています。

 2003年のイラク戦争のときは、自衛隊のイラク派遣が憲法違反かどうかを国内世論で沸騰

させていておいて、その陰でこっそり数十兆円ものわれわれの国富を、日本国民の国益にま

ったく関係ないイラク戦争の戦費に流用したということです。

 さて、今回はどうでしょうか。国民の関心をテロ特措法の延長か、打ち切りかの議論に向

けさせておいて、またも円高ドル安を演出して、日本に米国債をしこたま買わせて、イラン

戦争の戦費に当てようという魂胆なのではないでしょうか。

 ただ、今回は、日本の金融官僚がおのれの既得権益である日本政府の金融覇権を握り締め

ていて、小泉政権時代のように易々と巨額の円売りドル買いをしないということです。いか

にも官僚らしく小出ししています。

 一方、近未来、日本の国富を中国やインドに投資してぼろもうけしようと企んでいる銀行

屋も、日本の金融官僚に向けて、戦争屋のいいなりになる必要はないと耳打ちしているので

しょう。ただ、戦争屋は、窮鼠猫を食むではないが、北の将軍様を自在にコントロールでき

るので、いくら覇権力が低下したといっても、まったく、油断できないのです。なにか悪巧

みを仕掛けているにちがいありません。非常に危険です。最も怖いのは極東で戦争を仕掛け

られることです。彼らには、世界のどこでも戦争を仕掛けて、実行する能力があるのは確か

です。この際、われわれの命を守るために、再度、ある程度、国富を犠牲にせざるをえない

かもしれません。われわれは多少、貧乏になっても、殺されるよりましですから・・・。



注1:ヤフー政治記事:日高義樹氏投稿記事(2007年9月4日)

http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070904-02-1201.html


注2:ベンチャー革命No.233『安倍政権を攻撃しているのは何者?』2007年7月8日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr233.htm


注3:吉川元忠・関岡英之[2006]『国富消尽:対米隷属の果てに』PHP研究所

注4:ベンチャー革命No.241『戦前日本はアルカイダと同列:ブッシュ対日観露呈』2007年8

月25日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr241.htm


注5:ベンチャー革命No.075『世界私有化現象』2004年5月9日

http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr075.htm


注6:副島隆彦[2007]『ドル覇権の崩壊』徳間書店、164ページ



山本尚利(ヤマモトヒサトシ)

hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm

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