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 山本尚利氏コラムから

ベンチャー革命2008年3月2日


                           山本尚利


タイトル:イージス艦事故: 見事にミッションを果たした?防衛省



1.防衛省のミッションは国体護持?


2008年3月2日朝、TBSのサンデーモーニングにゲスト出演した佐高信氏が衝撃的発言を行いました。それは防衛省のミッション(使命)に関してのコメントです。1977年から78年、防衛庁の制服組トップの統合幕僚会議議長を務めた人物、栗栖弘臣氏が2000年に出版した「日本国防軍を創設せよ」(小学館)にて、自衛隊の究極のミッションは「日本国民の生命、安全を守ること」であるという国民理解は誤解である。自衛隊の究極のミッションとは「日本国の国体(国家の基本体制)を守ること」であると述べていると佐高氏は紹介しました。栗栖氏の経歴をウィキペディアにてチェックすると、戦前の帝国海軍の法務大尉出身者でした。天皇制時代の戦前教育を受けた人物ならではの発言でした。彼は幕僚会議議長時代、いわゆる超法規発言で更迭された過去があります。戦後の日本は国防に関してシビリアンコントロールを建前としてきたのに、自衛隊のトップが、有事には首相の命令がなくても軍事行動に出ることは許されるべきと週刊ポスト記事で発言したからです。


70年代の日本では、このような倒錯思想を持った人物が戦後の自衛隊のトップに昇進できたわけです。この点こそが戦後日本の最大の国家問題です。この事実から、この当時から防衛庁の存在理由にオモテとウラの二重構造が内蔵されていたことが判然とします。今回のイージス艦事故が起きる背景をここに垣間見ることができます。



2.防衛省のあるべきミッションとは


戦前日本の帝国日本軍の最高位ミッション「国体を守ること」の真意は「天皇を守ること」であったのは明らかで、天皇が敵に攻撃されたら、日本軍は首相の命令を待たずに反撃することは認められたでしょう。しかしながら、敗戦国日本の戦後の自衛隊の最高位ミッションは「国民を守ること」です(ちなみに、戦前日本の帝国日本軍の最高位ミッションも、本来は「国民を守ること」であったはずですが)。それなら栗栖氏の超法規発言には一理あったでしょうが、彼自身は「天皇(国体)を守ること」を自衛隊の最高位ミッションに置いていたわけです。それならば彼の超法規発言はまったく国民に理解されないし、更迭されて当然です。繰り返しますが、戦後日本の自衛隊の最高位ミッションは「国民の生命・財産を守ること」これ以外にありません。忘れてはいけません、防衛省5兆円の予算は国民の血税です。栗栖氏のような根本思想を間違っている人物を自衛隊トップに据えた過去を持つ防衛省の体質が、今回、イージス艦事故を引き起こした遠因であることは明らかです。



3.イージス艦による漁船撃沈事故の教訓


 2008年2月19日早朝、大島沖にて、イージス艦「あたご」が漁船に衝突、二人の漁師親子の行方不明者を出しました。3月2日の今日まで、その後の防衛省における二転三転の見苦しい対応にマスコミ批判が集中しています。この衝突が事件ではなく偶然の事故であるなら、自動車事故にたとえれば、酒酔い、居眠り運転のひき逃げ事故に等しく、「あたご」サイドに抗弁の余地はゼロです。責任者は絶対に有罪です。この衝突事故が国民に教えたもの、それは国民を守るはずの防衛省は、まったく信頼できないお粗末集団であることが露呈したことです。前回の守屋防衛事務次官の収賄事件に次いで、皮肉にも日本国民が自国の防衛指導層のお粗末さを垣間見る上において、非常に参考となった事件であると総括できるでしょう。日本がこのような堕落国家になった原因は国民にもあることをわれわれは真摯に学ぶべきだと思います。民主主義国家とは、国民が指導層を監視し、国民益にかなう指導層を選ぶ権利が国民全員に与えられた国家を意味します。ところが、戦後日本において、国民の一部はその貴重な権利を行使してこなかった。そのツケが回っているということです。まず防衛省の幹部自身が能天気の極致であり、民主主義の何たるかがまったくわかっていない。真の民主主義思想をこれまで誰にも教わってこなかったということです。教えられる日本人がこれまで日本にいなかったということでもあります。



4.見事にミッションを達成した?防衛省


 今回のイージス艦事故の対応に関して、イージス艦責任者、防衛省幹部、石破防衛大臣を非難するのは簡単ですが、なぜ、彼らはこれほどまでに幼児的対応に終始しているのかという疑問が消えません。一見すると、官僚独特の責任逃れ、自己防衛の結果にみえますが、それにしてはあまりにお粗末です。彼らはそんなにお粗末な人たちなのでしょうか。同じ日本人として、それは信じたくありません。深刻な薬害事件を放置した厚生省官僚にもそれが言えます(注2)。この日本指導層のリーダーシップ、危機管理のあまりのお粗末さで思い出される直近の事例は、安倍前首相辞任前後の醜態(注1)と福田首相の薬害肝炎訴訟における醜態(注2)です。今回のイージス艦事故にまつわる防衛省のお粗末さと酷似しています。これら日本指導層の醜態に共通するのは、米国覇権主義者のジャパンハンドラーの暗躍ではないでしょうか。今回のイージス艦事故対応の醜態あるいは前防衛事務次官の犯罪あるいは前防衛大臣の失言(注3)を国民に見せ付けて、いったい誰が得をするか、それは明らかに、米軍の日本駐留を正当化したい人たちです。今回の事故で、国民に対し、防衛省も自衛隊もまったく頼りにならないという事実(?)が痛いほど見せ付けられたのは確かです。そこで、日本国民の間に、いくら在日米軍が基地周辺で不祥事を起こしても、米軍が日本に駐留していることを認めざるを得ないという感情が生まれる可能性が高いでしょう。米国覇権主義者にとって、この事故は効果抜群でした。


 そこで、防衛省の真のミッションが「国民を守ること」ではなく、実は「米軍の傭兵となること」であれば、一連の防衛省幹部のお粗末対応はすべて説明がつくわけです。そういえば、米国覇権主義者の代表、ディック・チェイニー米副大統領訪日時の自衛隊幹部とのツーショットを思い出します(注3)。今日の防衛省は米国覇権主義者に実質、支配され、すでに彼らによって、自衛隊の最高位のミッションは「米軍の傭兵となること」として洗脳されている可能性すらあります。もし、そうであれば、ハワイ沖で米軍との共同演習からの帰途であった「あたご」が漁船と衝突直後、海上に投げ出された日本人漁師の救助活動を行わなかったのはあり得ることです。自衛隊には「日本国民の生命を守る」というミッションはすでにないからです。つまり、70年代から自衛隊のウラミッションは前述のように「国体を守る」ことであったのです。言い換えれば、栗栖氏がはしなくも吐露したように「国民を守る」ミッションは元々、自衛隊にはなかったということです。それが、親米の小泉政権時代に、「米軍を助ける」ことにすり替えられた。その結果が、イラクへの自衛隊派遣であり、インド洋での米艦船への無償給油活動となって具体化しています。


さて今回の漁船撃沈事件と酷似しているのが、1988年7月23日、自衛隊潜水艦「なだしお」の釣り船撃沈事件に次いで、2001年2月10日、ハワイ沖で米海軍潜水艦に撃沈された「えひめ丸」事件(宇和島水産高校練習船の撃沈事故)です。筆者は個人的に、後者の事件は、その後の日本の国運を決したと思っています。2000年4月、小渕首相(旧田中派)の不可解な突然死、次いで密室談合による森首相(親米の旧福田派)の誕生と計画的ワンポイント・リリーフ、すなわち「えひめ丸」事件で森首相の失脚、そして落としどころが、2001年4月、小泉変人首相(根っからの親米派)の誕生という一連の絵に描いたような見事なシナリオのトリガーとして「えひめ丸」事件が位置づけられると思っています。このときも「えひめ丸」を撃沈した米原子力潜水艦「グリーンヴィル」は海上に投げ出された日本人の救助活動をしなかったと記憶しています。彼らには、はなから、「日本人の生命を守る」ミッションは存在していませんから。「あたご」も「グリーヴィル」も世界最新鋭の実質、米国製艦船であり、未確認物体にそう簡単に衝突はしないでしょうが、撃沈させることは容易にできるでしょう。



5.ヒューマンエラーを回避するための自動操船モードでの漁船衝突とは大きな疑問


最後に東大船舶工学卒業生として個人的疑問を呈しておくと、血税1400億円を投入した「あたご」において、その操船システムを含むハイテク装備は1000億円程度でしょう。これらはすべて、米国防総省と癒着する米国軍需企業からの輸入です。したがって、「あたご」を米国の軍事衛星でGPS誘導することは技術的に十分可能です。ところで9.11事件でハイジャックされたボーイング767と757にはハイジャックテロを想定して強制的な遠隔操縦システムが装備されていたといわれています。その意味で、米国から他国に輸出されるイージス艦(軍事技術のかたまり)の操船システムにも、万が一、輸出先国が敵国に寝返った事態を想定して米国の軍事衛星による強制的な遠隔操船システムのプログラムが密かに装備されていてもおかしくありません。米国覇権主義者なら、当然そうするでしょう。


「あたご」が漁船と衝突した際、自動操船モードになっていたといわれていますが、自動操船システムとは、ヒューマンエラーで見逃すような障害物であっても回避して安全操船するシステムですから、自動操船モードが健全に機能していれば、艦長や当直仕官や見張りがウッカリ寝込んでいても、むしろ衝突事故は自動的に回避されるはずなのです。自動操船モードだったから、衝突したという一部のマスコミ論理は明らかにおかしい。



注1:ベンチャー革命No.243『ついにさじを投げた安倍首相』2007年9月12日


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr243.htm


注2:ベンチャー革命No.250『薬害肝炎訴訟:福田首相の翻意とは』2007年12月24日


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr250.htm


注3:ベンチャー革命No.222『チェイニー対久間の掛け合い漫才』2007年2月24日


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr222.htm



山本尚利(ヤマモトヒサトシ)


hisa_yamamoto@mug.biglobe.ne.jp


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm


http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/magazine-menus.htm





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1 ■ワロたけど気持ちいかったw

イカリングにロー○。ン付けてシゴかれるなんて初めての経験をしてしまったw
http://a-linker.net/doll/VUvvosrD
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